リーフスの人たち

蔵6330
テンダー
立石
人から人へつなぐ“熱”
みなさんは飲食店に行ってどんな時間を過ごしていますか?
席に通されたら、お水とおしぼりが出てきてメニューを選ぶ。
そして運ばれてきたものをいただく。
お店を出た後に思うのは、お料理がおいしかった!お腹いっぱい!そんなことですよね。
一般的には飲食店は“ただ食事をする場所”なのかもしれません。
蔵は、生産者さんや蔵のスタッフが持つ“熱”が集まる場所。
酪農や農業を生業としている生産者さんたちが育てる素材に掛ける想い、
その素材本来の美味しさを引き出そうとする蔵の料理人たちの想い、
そういう熱い想いをお客さんに伝えて行くのがわたしの役割です。
でも、“ただ食事をしにきた”お客さんに一方的に語るだけでは、きっと伝えたいことの半分も伝わらないんです。
大事なのは「この人の話をもっと聞きたいな」と思ってもらうこと。
そのためには、私がまずお客さんのことを知りたい!と思って話していくことです。
このお客さんは何で蔵を選んできてくれたんだろう?
誰と来て、何を楽しみにしてきてくれたのかな?
好きな料理はなんだろう?
時には他愛のない世間話を挟みながら、どちらかが一方的に話すのではなく、お互いが向き合ってキャッチボールをするイメージです。
そうした対話の中で、お客さんとの間に信頼関係が生まれ、わたしの言葉に耳を傾けてくれるようになります。
そこが“熱”を伝えられるチャンス。
ただ台本のように覚えた一方的な説明にならないように、
生産者さんと直接お話しして肌で感じた熱量、
実際に自分が食べて感動的な美味しさに心動かされた瞬間、
お客さんにも共有したい!体感してもらいたい!という気持ちで、自分の言葉でありのままに伝えるようにしています。
今は電子化が進んで、店員さんと一言も交わさずに食事を終えるような飲食店も増えていますが、わたしは蔵で、人と人との対話を大切にして、“熱”を持った言葉を伝播し続けていきたいです。
ただ食事をしに来ただけのお客さんが、お店を出る時にはなんだか感動した気持ちになっているって、すごく素敵じゃないですか?